Tuesday, April 22, 2014

掲載告知: 「デモクラシーからデモクラシーへ」




一般誌に小論が掲載されました.「本との対話」という,見開き一頁のコーナーの執筆です.

全日本教職員組合が編集する教育誌ということで,主に学校教師の方々の読み物のようですが,一般の方も購入は可能なようです(書店でどのくらい扱っているかは分かりません).

書評ほどでもない,本を題材にしたエッセイをという発注だったのですが,やわらかな調子で短くまとめるのは今の私には難しく,生硬な文でごちゃごちゃとした話をする結果になっております.

雑誌全体のなかでも浮いていることと思いますが,もしお手に取る機会があればご笑覧下さい.

紹介した本は,以下の四点です.「デモクラシー」をテーマに,「この」デモクラシーとは異なるデモクラシーのヴィジョンを得ることの重要性について書きましたが,分量的制約もあり,特に中身のあることは言っておりません.






Thursday, April 10, 2014

御礼: 田村 [2014]


著者の田村先生からお送り頂きました.ご高配ありがとうございます.

2011年の政治学会でのご報告を基にされたものです.

鵜飼さんの『人民主権について』と併せて読むと,何か見えてくるかもしれません…と勝手に思っております.

  • 田村哲樹 [2014. 3] 「構築主義は規範をどこまで語ることができるのか? ――政治的構築主義・節合・民主主義」『名古屋大学法政論集』255: 715-755.
    • 序論
    • 第一節 規範を経験的に語ること――経験的な構築主義
    • 第二節 構築主義と「政治的なるもの」――政治的構築主義と異なる規範の発生可能性
    • 第三節 政治的構築主義は規範をどこまで語ることができるのか?
    • 第四節 政治的構築主義と規範としての民主主義の節合
      • (一)ハンセン
      • (二)マーチャート
      • (三)民主主義の正当化という問題をめぐって
    • 結論

御礼: 清原 [2013]; 清原 [2014]


著者の清原さんにお送り頂いておりました.どうもありがとうございます.

いつもながら鮮やかな分析かと思います.

  • 清原悠 [2013] 「住民運動の地政学的分析」『社会学評論』64(2): 205-223.
    • 1 問題の所在
      • 1. 1 住民運動における地域,住民,運動の意味――当事者概念としての住民運動
      • 1. 2 分析視角――地政学的分析の方法論的位置づけ
      • 1. 3 政治資源/主体としての住民運動とその捻じれ――事例としての横浜新貨物線反対運動
    • 2 横浜新貨物線反対運動と横浜の都市空間
      • 2. 1 横浜新貨物線反対運動の発生と革新自治体との関係
      • 2. 2 横浜の人口増加
      • 2. 3 横浜の宅地開発状況――丘陵地における大規模団地開発とその問題
    • 3 横浜の政治地図
      • 3. 1 飛鳥田横浜市長の誕生
      • 3. 2 革新市政と政治的資源としての「住民運動」
      • 3. 3 横浜新貨物線反対運動の地政学――革新勢力の地域形成を支えた保土ヶ谷区と港北区・神奈川区の条件の差異
    • 4 住民運動の換骨奪胎――住民運動の「父」=飛鳥田/「鬼っ子」=横浜新貨物線反対運動
    • 5 結論

  • 清原悠 [2014. 2] 「〈私的な公共圏〉における政治性のパラドックス――女性団体・草の実会における書く実践を事例に」『ジェンダー研究』16: 79-114.
    • 1 問題の所在――女性が「書く」ことの意味
    • 2 書くことについての先行研究
      • 2. 1 書くことによる解放――綴り・まじわる文化/語り・まじわる文化
      • 2. 2 戦後における書くことの隆盛――モラルの焦土から世界の再創造へ
    • 3 〈書く共同体〉の位相――歴史的文脈と組織論の観点
      • 3. 1 複数性を重視する草の実会――草の実会の会員層
      • 3. 2 活動の基本となる地域グループと連合体としての草の実会
    • 4 媒介としての『草の実』――匿名性・公開性・技法
      • 4. 1 『草の実』における2種類の匿名性――外部に対する名前の見えなさ/内部における顔の見えなさ
      • 4. 2 『草の実』における読む工夫――知らない他者の私的な綴りを読む技法
      • 4. 3 公開性=親密性の演出――〈不特定他者への綴り/特定他者への応答〉の非対称性
    • 5 私的な公共圏の形成――誌上と対面の循環関係が作りだすジェンダー・ポリティクス
      • 5. 1 我が家の赤字家計を語る女性達――「話し合い」と「実行」を媒介する「研究」
      • 5. 2 誌上(書く事)と対面(話すこと)の循環関係
      • 5. 3 書く実践=読む実践が生み出す〈私的な公共圏〉のジェンダー・ポリティクス
    • 6 〈私的な公共圏〉における政治への回路――団体/個人の政治的自由の両立可能性
      • 6. 1 おしゃべりから政治行動へ――会員の意識、コミュニケーションの蓄積、勤務評定問題
      • 6. 2 草の実会/草の実会員の位相――勤務評定問題における決議拒否と署名の論理
      • 6. 3 〈私的な公共圏〉における政治のパラドックスと脱パラドクス化戦略
    • 7 結論

Wednesday, April 2, 2014

掲載告知: 「マルチレベル・ガバナンスにおける民主的正統性と公私再定義――ステークホルダー・デモクラシーのグローバルな実現へ向けて」





雑誌投稿論文が刊行されました.リンク先から,要約および本文をお読み頂けます.掲載誌はオンライン版のみの刊行のため,冊子体はありません.

目次を以下に掲げておきます.

  • 目次
    • I. 序論――ダールのジレンマとガバナンス論の隘路
    • II. グローバルな民主化に向けた複数の戦略
      • 1. 政府の/による民主化――ヘルドのコスモポリタン・デモクラシー
      • 2. 市民社会による民主化と、市民社会の民主化
    • III. マクドナルドのグローバル・ステークホルダー・デモクラシー論
      • 1. 概要
      • 2. 意義と課題
      • 3. 可能なる射程――国連グローバル・コンパクトから
    • IV. デモイの競合と調停――民主的正統性の多回路的実現
      • 1. 代表性と有効性への多回路
      • 2. 応答性への多回路
      • 3. 公私の再定義可能性
    • V. 結論


今回の論文は,政治と理論研究会 第9回(2013年5月8日,法政大学)にて報告した内容に加筆修正を施したものです.研究会にご出席下さった方々に,改めて感謝申し上げます.

加えて一つ,訂正があります.参考文献に挙げている高橋良輔先生のご論文,「国境を越える社会運動と制度化されるNGOネットワーク:空間・運動・ネットワーク」の刊行年が「2009」年と表記されていますが,「2010」年の誤りでした.この場を借りてお詫び申し上げます.

なお,脱稿後に以下の2本の論文に接しました.内田 [2014] はJames Bohmanの議論について,Erman [2013] はTerry Macdonaldの議論について,それぞれ検討を加えており,いずれも拙稿と内容的関連が大きいものです.

  • 内田智 [2014] 「熟議デモクラシー,国境横断的なその制度化の課題と可能性――欧州における討論型世論調査の試みを一例として」『年報政治学』2013(2).
  • Erman, Eva [2013] “In Search of Democratic Agency in Deliberative Governance,” European Journal of International Relation, 19(4): 847-868.

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