Tuesday, May 12, 2015

掲載告知: 「ステークホールディング論の史的展開と批判的再構成」


学会誌投稿論文が刊行されました.下記に目次を掲載しますので,書店で見かけた際にはお手に取って見て頂ければ幸いです.


  • 松尾隆佑 [2015] 「ステークホールディング論の史的展開と批判的再構成――普遍主義的な資産ベース福祉によるシティズンシップ保障の構想」『政治思想研究』15: 366-395.
    • 一 はじめに――社会的包摂・シティズンシップ保障・普遍主義福祉
    • 二 史的展開
      • 1 ステークホルダー資本主義
      • 2 ステークホルダー・グラント
      • 3 財産所有デモクラシー
    • 三 批判的再構成
      • 1 ステークホールディング論の過去と未来
      • 2 理念的側面――民主的連帯・集合的義務・自律保護
        • (1)連帯の理由――互恵性から民主的連帯へ
        • (2)果たされるべき義務――その集合的性質
        • (3)自律の保護――多元的な政治社会におけるステークホルダーの地位
      • 3 制度的側面――普遍主義的な資産ベース福祉を中心とする複合的保障
    • 四 おわりに――再び、「居場所」と「出番」のある社会へ

    国家と圏域の政治思想 (政治思想研究)

収録号は学会HPで目次が確認できるほか,数年後には全体ファイルが公開されます.また,将来的にはJ-Stageで論文単位のファイルも公開されるものと思います.学会誌という性格もあり,抜き刷りは非会員でお世話になった方を中心にお配りする予定です.

論文の内容は,2013年8月に東京法哲学研究会で行った報告「ステークホールディングの理論的再構成――福祉ガバナンスの規律を中心に」を修正したものです.研究会にご出席頂いた方々には,この場を借りて深謝申し上げます.

さらに遡ると,元々は2008年に提出した修士論文でわずかに言及したステークホルダー資本主義やステークホルダー・グラントの議論を深掘りしつつ拡張したという成り立ちがあります.査読を通るまでに時間がかかったことも含め,現時点での情勢に照らしてどうかと考えるところがなくはありません.

また,限られた字数でさまざまな論点に触れており,われながら無茶な論文だなぁとも感じますが,ひとまず世に出すことができて良かったと今は思っています.

ご笑覧・ご批判を乞う次第です.

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